図面をPDF化するのってどうすればいいの?最低限のスキャン知識を解説しました
「図面をPDF化してスキャンするのってどうすればいい?難しそうでとっつきにくいなぁ。」
このように感じている方は、比較的多くいらっしゃるのではないでしょうか。
例えば、
印刷は、カラーか白黒を選び、紙のサイズを選択して印刷をするだけですが、スキャンは「解像度」や「ファイル形式」、「カラーモード」など普段見慣れない用語を選択しなければいけません。
「24ビット」や「36ビット」、「圧縮率」、「正立画像」など、様々な用語が出てくるため、外注するにしてもどんな依頼をすればいいのか分からずちょっとお手上げ状態ですよね。
そこで今回は、図面をPDF化する上でよく頂く質問に、スキャン専門サービス雲紙舎でお答えしている返答を皆さんに共有しようと思います。
この質問回答集を読んで頂ければ、見積もり時や発注時の勘違いや大きなミスを防ぐことが出来るようになるでしょう。
実際に、日々お客様から上記のような電子化の基礎知識に関する質問とその回答を取り上げてみました。
(読了目安:約3分)
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図面のPDF化でお困りの方へ。A0~A2サイズ、観音製本・上製本、青焼き図面に対応!
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目次
図面PDF化の仕様について
質問1「図面をPDF化するときの適切な解像度を教えてください。」
-代表長屋の回答
この質問は本当によく頂きますが、解像度を選択上で一番大事なことは、「電子化をした後の利用目的」です。
パソコンで閲覧するだけであれば、300dpiで十分でしょう。
しかし、電子化後に大きく拡大印刷したいのであれば、拡大のサイズに適した解像度が必要となります。
それでは、目的が揺らいでしまった場合に解像度は選択出来ないのかと言うと、実はそうでもありません。
目的が揺らぐというのは、走りながら考えている証拠で、迅速な意思決定とも言えます。
「とにかくアーカイブ化という予算だけが確保出来ている」のであれば、600dpiで電子化をすることをおススメしています。
なぜなら、600dpiでスキャニングしておけば、あとはどのような目的にも対応が可能だからです。
300dpiの軽いデータが必要なときも、600dpiのデータから容易に変換が可能です。
ここで注意すべきなのは、この逆パターンが出来ないということ。
300dpiから600dpiには変換が出来ないことを知っておきましょう。
多いデータから少ないデータには変換は出来ても、少ないデータから多いデータには変換出来ないのです。
質問2「 白黒とカラーはどちらが良いでしょうか。」
-代表長屋の回答
この質問は実際に戴く質問ではありませんが、注意喚起のために私があえて設けました。
「白黒でスキャンをお願いします」と依頼されることがあまりにも多いからです。
お客様のイメージしている「白黒」とは、複合機で印刷する際の白黒、つまり、グレースケールを指していることが大半です。
一方で、スキャン業者は、「白黒」と言えば「白黒2値」と厳密に解釈する癖があります。
※「白黒2値」とは、白と黒のみでグレーなどの中間色はありません。
この説明は、以下の記事でも紹介しています。
書類スキャンと書類コピーでは「カラーモード」の呼び方が違う!?
質問3「 図面の白黒は、白黒2値とグレースケールのどちらが良いでしょうか。」
-代表長屋の回答
図面のPDF化では一般的には白黒2値で十分です。
そもそも図面にグレーなどの中間色は使われていないことが多いからです。
また、グレースケールでは、図面1枚あたりの容量が大きくなり、スペックの低いパソコンでの閲覧時の動作が遅くなる可能性がありますので、白黒2値を推奨しています。
質問4「 目録からワンクリックで該当の図面PDFファイルを開くことは可能でしょうか。」
-代表長屋の回答
はい、可能です。
エクセルで目録を作成し、リンクを貼ることでワンクリックで該当PDFファイルを開くことが可能になります。
量が多い場合は、目録を作成し、リンク以外にも冊子の状態などの特記事項を記入しておくことをおすすめします。
質問5「図面を検索できるようにしたいのですが、OCR処理は可能でしょうか。」
-代表長屋の回答
技術的には可能ですが、費用対効果は疑問です。
現状、①市販のOCRソフトでのOCR処理する方法と、②AI-OCRでのOCR処理する方法 の2つの選択肢があります。
①市販のOCRソフトでOCR処理をする場合、手動で読み取り領域枠を設定する必要があり、工数もかかるのでそれなりの料金になります。
また、②AI-OCR処理の場合は、相当な量の枚数でなければAIの学習効果が期待できませんし、AI-OCRの開発会社も対応はしてくれないでしょう。
それでは、図面を検索したいとき、どうしたら良いのでしょうか。
製本された図面であれば、物件名で検索できるようにPDFファイルを作成します。
雲紙舎でおすすめしているのは、製本単位でマルチPDFファイルを作成し、シートのバラ図面であれば、物件ごとにマルチPDFファイル化する方法です。
この方法を取ることで、物件を特定できれば、あとはPDFファイルを開いて該当ページを特定するだけで見つけやすさが格段に上がります。
図面は1冊100ページもありませんので、すぐに特定することが可能でしょう。
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図面PDF化の技術的な点について
質問6「トレーシングペーパーはスキャンできるのでしょうか。」
-代表長屋の回答
はい、可能です。
トレーシングペーパーを傷つけないよう、上から撮影するスキャナー(オーバーヘッド型スキャナーに、白のカッティングボードを敷き、そのうえにトレーシングペーパーを配置してスキャンをします。
トレーシングペーパーは紙が薄いので、シートフィード型スキャナーの使用は推奨いたしません。
質問7「折り製本図面はスキャンできるのでしょうか。」
-代表長屋の回答
スキャン可能です。
製本の解体をしてから図面を一枚一枚スキャンしていき、スキャン後は再製本をおこないます。
尚、製本には「ビス止め」と「糊付け」の2種類があります。
「ビス止め」の場合はビスが腐食していると少しやっかいで、製本業者にて解体する必要があります。
また、「糊付け」の場合は、断裁してバラした後にスキャンをおこないます。
質問8「青焼き図面は綺麗にスキャンできるのでしょうか。」
-代表長屋の回答
はい、可能です。
白黒2値スキャンを前提とした場合、青焼きも濃淡があるので、白と黒の「しきい値」を調整しながらスキャンしていくことになります。
ここの調整をしっかりと実施しないと、薄い青焼きの図面がデータに反映されなくなってしまいます。
また、青焼き図面はカラーRGBでのスキャンもおすすめです。
図面の奥行きなども伝わってくるからです。
ただし、カラーRGBだと情報量が多くファイル容量が大きくなる点は注意が必要です。
閲覧するPCのスペックによっては読み込み速度が遅くなるためです。
質問9「図面製本の解体時に考慮すべきことは何でしょうか。」
-代表長屋の回答
ずばり、解体して良いかどうかです。
契約書なども一緒に製本されており割印がある場合、解体してしまうと契約の有効性に影響が出てしまいます。
また、糊付製本の場合は断裁しますので、横の長さが短くなります。
こういった点は、図面の所有者に確認をすると良いでしょう。
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内製と外注について
質問10「自社でスキャンする場合、スキャナー機器はどう準備したら良いのでしょうか。」
-代表長屋の回答
スキャナー機器の準備としては、レンタルか購入の2択です。
まず、どのようなスキャナーが適しているのかを確認する必要があります。
「観音製本」や「折り製本図面」であれば、オーバーヘッド型、フェイスアップ型です。
バラの図面であれば、シートフィード型です。
最適なスキャナータイプを把握したら、次はどのような機種があるのかを確認することになります。
BtoBの商材ですので、ネット検索では簡単には見つかりません。
そこで、普段懇意にしているスキャン業者に問い合わせてみることをおススメします。
業務用スキャナーの販売先を特定し、そこから販売金額やレンタル時の金額を見積もりをもらいましょう。
ご予算があり今後も図面の紙が発生し続ける職場であれば、購入も選択肢に入るでしょう。
質問11「 自社で図面をPDF化するのとスキャン業者に委託するのとどちらが良いでしょうか。」
-代表長屋の回答
企業規模によって費用対効果が異なるため、一概には言えません。
大企業所属で大量の図面を保有しており、スキャンの人員確保が可能であれば、自社でスキャナー機器を購入しスキャンをおこなうのが良いでしょう。
スキャナー機器は高額ですが、図面の量が多ければ、トータルの費用は業者に委託するよりは安くなるでしょう。
中小企業の規模感の場合は、スキャナー機器の金額より委託費用が安ければ、委託一択で良いでしょう。
仮に委託費用の方が高い場合でも、これ以上図面が増えることが無く、スキャン後のスキャナー使用目途が立たないのであれば、委託した方が良いでしょう。
質問12「 スキャン業者をどのように選んだら良いでしょうか。」
-代表長屋の回答
図面のスキャニング業者をどのように選んだら良いのか分からないというお声は良く聞きます。
お話を伺っていると、スキャン業者を探すに至るまでは様々な事情があるようです。
普段お付き合いのある印刷会社に依頼をしたところ、「金額が高く品質が良くなかったから、スキャン業者を探してみた」というお声から、「金額が1円でも安い業者に依頼したい」というお声まであります。
図面のスキャン業者を選ぶに際しては、「金額」「納期」「実績」「品質」「セキュリティ」の5つの検討事項があります。
依頼企業の意思決定の特徴に応じて、この5つの観点から委託先が決まっていきます。
皆さんも、この5つの観点から委託先を精査し、決めていくのが良いでしょう。
「金額」:安すぎたり、高すぎたりしない範囲であれば、安い方が良いですよね。
「納期」:希望の納期に合わせてもらえるのか。相見積もりしている場合はどちらの納期が早いのかで比較検討します。
「実績」:大企業ほど実績を気にする傾向があるようです。稟議を上げやすいからですね。
「品質」:実際の品質はサンプル制作によって確認することになるでしょう。それ以外に、ISO9001 やスタッフの資格の有無などで確認をします。
「セキュリティ」:ISO27001やプライバシーマークの取得の有無、実際の建物や入退室管理状況などを確認します。
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まとめ|雲紙舎の図面をPDF化するスキャンサービスもご検討下さい。
以上、図面のPDF化に関する12の質問と回答、いかがでしたでしょうか。
図面のPDF化に関する疑問・不明点への解決の指針としてご活用ください。
尚、雲紙舎の図面PDFファイル化サービスでも、お見積もりや御相談を承っております。
最低発注金額5万円~、ISO27001、ISO9001を取得済みで、文書情報管理士上級スタッフが在中し、高い品質レベルの図面スキャニングサービスを提供しています。
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