法人向けのスキャンサービス選びで失敗する前に知るべきことを解説
「冊子や業務資料、図面をPDFデータにして、社内で共有できるようにしたい!」
そんなときにすぐに相談できる法人向けのスキャン業者さんがいなければ
・インターネットで検索して探す
・付き合いのある印刷会社の営業マンに相談する
・一括見積もりサイトで複数の業者に相談する
・大手のキンコーズや大塚商会に相談する
といった方がほとんどでしょう。
その場合、法人向けのスキャンサービスを利用する上でよく失敗が起こります!
スキャンサービスは単発案件が多く、依頼する側(お客様側)に電子化の知見が蓄積されにくい傾向があるからです。
スキャンサービス利用の失敗が起こらないように、成功と失敗を分けるポイントを解説していきます。
正直言いますと、私達の失敗例を晒すことになるため少し抵抗を感じますが、企業の発注担当者の方の参考になれば幸いです。
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目次
「スキャンしたい!」となったらまず誰に相談する?
|印刷会社・BPO業者など仲介業者に相談するメリット・デメリット
普段からスキャンサービス業者と付き合いのある企業は少ないため、最初の相談先は、
・取引実績のある印刷会社
・複合機の販売会社
・データ入力系のBPO業者
・システム開発会社
上記のような仲介業者に、まず最初に相談されることが多いでしょう。
しかし、仲介業者に頼む場合、メリットもありますがデメリットもあります。
良い面だけでなく悪い面も把握しておくことで、スキャンサービスの利用で失敗する可能性を下げることができます!
|スキャンサービスの仲介業者を使うメリット
1)スキャン業者を自分で探さなくて良いので楽
スキャンについて知識があまり無い場合、ご自身でスキャン業者を探すのは一苦労です。
その苦労を省くことが出来るのは、忙しい発注担当者にとって大変助かりますよね。
印刷会社やBPO企業など、普段からお付き合いのある営業マンに仲介してもらえないか相談をしてみましょう。
スキャン業者と信頼関係があれば、相談内容に相応しいスキャン業者をあなたの代わりに選定してくれるでしょう。
2)仲介業者にスキャンの知識が無くても、何とかしようと頑張ってくれる
依頼量も多ければ、仲介業者の営業マンも頑張って対応してくれるはずです。
たとえ仲介業者にスキャンの知識が無くとも、スキャン業者と連携しながら、要望をヒアリングして仕様に反映してくれます。
出来れば見積もりも仲介業者に任せることをおすすめします。
なぜなら印刷とは異なり、スキャンサービスでは料金表のとおり単価×枚数と見積もり算出されません。
スキャニングの目的およびスキャニングの対象、対象の管理状況によって仕様が固まることで、単価が決まります。
そのため、スキャンサービスの見積もりは、スキャンのオペレーションをしっかりと理解したスキャン専業企業の営業マンと連携する必要があるのです。
|スキャンサービスの仲介業者を使うデメリット
本来は発注担当者がご自身でする手間なことをすべて省いてくれるので、仲介業者を利用するメリットは大きいです。
ただし、デメリットもあることを把握しておいて欲しいと思います。
1)仲介業者が依頼者の意図をしっかりと理解できない
依頼者の意図を的確に理解できない仲介業者も存在します。
依頼者が仲介業者を信頼してお任せ状態になっていたり、仲介業者が営業成績のみを考えてうごいていたりするからです。
相談先を間違えてしまうと、納品物を見てから「こんなはずではなかった」「意図と違う」「もっとこうして欲しかった」とクレームが生じやすい傾向があります。
2)スキャン専業企業と仲介業者との信頼関係が無かったり、損なわれている
仲介業者がスキャン専業企業と信頼関係を築けているかどうかは重要です。
スキャン専業企業を安く使っていたり、依頼者から相談が来て初めてスキャン専業企業を探していたりする場合、まず信頼関係はありません。
ですから、どこの仲介業者に相談をするのかはとても重要です。
仲介業者がスキャン専業企業を大切にしているかどうかは、
・質問してすぐに回答がくるかどうか
・スキャンの取り扱い実績の数はどのくらいか
などをリトマス試験紙としてチェックするようにしましょう。
以上2点のデメリットを紹介しました。
いかがでしょうか。
発注担当者の方が仲介業者と良い関係にあれば、メリットがデメリットを上回る状態となり、発注担当者の負担を大きく削減してくれるでしょう。
逆に、仲介業者と良い関係にない場合は、デメリットが上回るようになりますので、注意が必要です。
|仲介業者の特徴まとめ
この章の最後として、仲介業者の特徴をまとめておきます。
①印刷会社
社内報や社史、刊行誌をはじめとした冊子を毎月定期的に発注している企業の担当者の方にとっては、冊子の電子化を相談する最初の窓口に、普段お付き合いのある印刷会社の営業マンを選ぶのは合理的です。
普段から付き合いのある営業マンであれば、信頼関係もあるし発注企業の内情も把握しているはずです。
他社の冊子も定期的に印刷していますのでスキャンサービスの相談も多く受けている可能性があり、スキャン会社とも信頼関係を構築している可能性がもっとも高い相談先だと言えます。
②BPO企業
経理や総務の部門のアウトソーシングをはじめ、データ入力などのバックオフィス業務のアウトソーシングをしている発注企業の担当者の方にとって、契約書や業務資料のスキャンサービスの相談相手として、BPO企業の営業マンという手もあります。
BPO企業は規模も大きく発注企業の中核部門のアウトソーサーなので、発注企業の内情理解や発注担当者との信頼関係も厚いことでしょう。
また、BPO企業では、大規模な業務資料や契約書の電子化の案件もあり、スキャン専業企業との信頼関係も構築されているはずです。
仲介業者として相応しいのは、印刷会社かBPO会社です。それ以外の業種業態の仲介業者も存在しますが、実績が少なかったりなどあまり適切とは言えません。
印刷会社かBPOの会社とお付き合いがあれば相談する、お付き合いが無ければスキャン専業企業を自ら探しましょう。
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スキャンサービスの専業企業を自ら探す方法
|スキャンサービス専業企業とは
スキャニングサービスの専業企業とは、業務用のスキャナー機器と専門のスタッフを自ら用意し、スキャニング業務を請け負っている企業を指しています。
一部の印刷会社やBPO企業では、スキャン専業企業としての特徴も備えているようです。
スキャンニング専業企業は、契約書から刊行誌、業務資料、図面など多様な紙をスキャンするノウハウを持っています。そのノウハウは、経験年数や受注数、スタッフの能力に応じて深まっていきます。
仲介業者は、スキャン専業企業のノウハウを求めて提携したがるのです。
スキャン専業企業に、発注企業の担当者が直接相談をするメリットとデメリットをご紹介します。
|スキャンサービス専業企業に直接相談をするメリットとデメリット
メリット①:電子化の仕様や費用感について率直な意見が貰える
スキャニング専業企業にも営業マンがいますが、大半は営業も出来てオペレーションも出来る方となります。スキャンの経験や知識を備えた営業マンが、過去の営業経験から最適な見積りをしてくれます。
発注担当者の方の知識や経験に併せて提案をしてくれるので、頼りがいを感じることができるでしょう。
メリット②:仲介者がいない分、仲介手数料がかからない
直接スキャン会社に発注するメリットとして、仲介手数料がかからない点も見逃せません。
商談にスキャン会社を同席させて見積りを作成するのに、仲介者が3割以上も手数料を乗せる場合もあります。
この場合は紹介料として5%程度に抑えるのが良心かと思いますが、仲介業者によっては、25%以上を上乗せするケースがあるのです。
こういった鞘抜き行為に対して、「発注担当者さんがどこまでを妥当とみなすか」がポイントでしょう。
一方で、デメリットとしては、どんな点があるのでしょうか。
デメリット①:業者の選定や複数社の見積りをとる手間がかかる
・STEP1:インターネットを検索して業者を探す
↓
・STEP2:サイトを閲覧して、候補をピックアップし、条件に合いそうな会社を数社に絞る
↓
・STEP3:数社の候補に相談メールを入れて見積りを依頼&社内で稟議をあげ業者を選定
大企業の発注担当者であれば、これだけでも2-3か月かかる大変な作業です。
仲介業者が入れば、業者を探して数社に絞る手間が省けます。
さらに、会社の稟議も、すでに予算があれば、すぐに通すことが出来るでしょう。
発注担当者は、こういったメリット・デメリットを天秤にかけながら、スキャンサービスの相談先を決めていく必要があります。
|スキャンサービス会社の見極め方について
以降は、スキャンの発注担当者が、スキャンサービス会社に直接見積りを依頼することを念頭に話を進めていきたいと思います。
スキャンサービスの会社をどう選んだら良いのか、3つの見極めポイントをお伝えしたいと思います。
ポイント1.ウェブサイトに力を入れているかどうか
ウェブサイトを見て感じる直感。「良い感じ。」「いまいち。」という感覚。この感覚はとても大切です。
ウェブサイトに力を入れている場合、訪問者の知りたい情報をどのような言葉でどのように構成して伝えるかを考え抜かれたデザインであることがほとんどです。
それには、当然、デザイン会社やウェブマーケターなど、複数の関係者が携わり、お金と時間をかけて制作しています。
お金と時間をかけて作ったウェブサイトは、パッと見て「良いな」と感じますし、そうでないサイトは「いまいち。」と感じられるはずです。
お金と時間をかけて作っているとは、スキャン事業が収益を上げていると同義ですから、収益をしっかりと上げているスキャンサービス会社に相談をすることがポイントです。
なぜなら、スタッフも機材もそろえており、もちろん経験数も多く、ノウハウがあるからです。
ポイント2.スキャンサービス会社の倫理観
スキャンサービス会社の倫理観と言われても、何のことだか分からないと思います。
スキャン業者のウェブサイトには、発注先企業のロゴが掲載されていることがあります。ロゴの掲載は、引用の範囲内であれば、法的には許諾を得る必要はありません。
ただし、秘密保持契約を交わしている場合は、契約の文言によっては許諾を得る必要があります。
スキャン会社によるロゴの掲載は、事例が求められるために、無断で掲載をする誘惑にかられがちです。
ここにスキャン会社の倫理観が見て取れます。
民間の企業のロゴの掲載の場合、許諾を得ているかどうかは傍から見ても分かりませんが、官公庁や公立の施設、公共の機関などのロゴが掲載されている場合は、ロゴの利用規約があるにも関わらず、無断で掲載されていると考えても良いでしょう。
法的に問題が無いから無断でロゴを掲載することに、発注企業担当者の方はどう思われるでしょうか。発注企業のスキャンデータも、他の営業先へのサンプル提示に利用されているかもしれませんよね。
ポイント3.見積り依頼の回答の充実度合
3番目に、見積り相談をした際のスキャン会社からの回答の充実度が上げられます。
知識と経験の深いスキャン会社が作成する見積りは、過去の経験から裏打ちされた誤解されやすい箇所、複数提示した方が良い箇所など、手のかゆいところに行き届いた見積りであることが大半です。
こういった回答の充実度から、スキャン会社の経験やノウハウを垣間見ることが出来ます。
以上、いかがでしたでしょうか。
スキャンの供給側のことを把握し、その中でもスキャンサービス専業の会社について詳しく解説をしてきました。
失敗をしないためには、発注企業にとって適切な相談相手を選択する必要がありますよね。
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【失敗事例を2つ紹介】最適なスキャンサービス会社を選べないとこうなります
最後に、適切な相談相手を選べなかったために、失敗が起きた事例を紹介していきたいと思います。
|失敗事例その1:期待したデータでは無かった
商談の席で一番多く聞く失敗事例として、「期待したデータでは無かった」という声です。
こうした声は、大手の会社に依頼した際でも起こります。
大手だから安心してすべてを任せていたことが、失敗の原因だったのではと考えられます。
見方を変えれば、大手の場合は営業マンは営業のみに専念し、スキャンの実務は知らないでしょうし(実際のスキャン作業は子会社やグループ会社、提携会社に再委託をするので)、発注企業の細かい要望などを吸い上げられなかったとも言えるでしょう。
大手だから安心ではないのです。
発注担当者の方は、ここをしっかりと肝に銘じてほしいと思います。
何を期待しているのかをしっかりと営業担当者に伝えることはもちろんのこと、サンプルの提示や営業担当者からの回答から期待値を理解してもらっているのか、その期待値が実現可能なのか、無理筋なのかをしっかりと把握することが大切です。
|失敗事例その2:見積もり後、まったく音沙汰が無かった
見積り提示後のフォローがまったく無い場合、どんなことが考えられるでしょうか。
フォローがまったく無いとは、見積りに対しての説明が無く、ただ見積書が送られてきただけという状況を意味しています。
スキャンサービス専業の業者が見積りを提示する際は、想定条件などを盛り込んで提案することが大半です。
スキャニングサービスは労働集約型サービス(人手の作業が大半)のため想定条件から外れてしまうと、工数に大きく影響してしまうからです。
そのため見積りに対しての説明は必須と言えるでしょう。
発注企業の担当者にとっては、見積もりに対しての説明を受ければ、作業や仕様をイメージすることが出来ますし、改めて仕様を調整していくいことが出来るなど本来の電子化の目的を検討しなおすきっかけになる重要な説明です。
「見積もり後のフォローがどうか?」もしっかりとスキャンサービス企業を選ぶポイントになるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本稿では、スキャンサービスの選び方について解説をしてきました。
適切に相談相手を選べば失敗事例でご紹介したようなことは起こらないでしょう。発注担当者の方は、失敗を恐れます。
その恐れは、「大手だから」「ロゴがあるから」では解消されないどころか、それこそが失敗の原因になることを理解して欲しいと思います。
最後に、私たち雲紙舎についてご紹介をさせてください。