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デジタルアーカイブとは? 導入するメリットと活用事例を紹介

 

デジタル化の最大のメリットは、情報の整理と管理、共有がしやすいことではないでしょうか。

デジタル化によって管理された資料は、そのまま「保存にしておく」のではなく、十分に役立てることで価値を生み出すといえます。

 

デジタルアーカイブは、様々な資料をデジタル化し後世に貴重な資産として残すことを目的としながら、デジタル化した資料を必要に応じて共有、活用できるようにするための仕組みといえるでしょう。

 

ここでは、最近よく耳にする「デジタルアーカイブ」がいったいどういうものなのか、導入するメリットや活用事例についてご紹介します。

 


執筆者:長屋 好則
株式会社 雲紙舎 代表

2009年よりOCR・スキャン専門サービスを立ち上げ、2013年より法人雲紙舎の代表を務めている。過去2000件のスキャン実績があり、契約書・業務資料から図面・冊子まであらゆる資料の電子化、二次活用をサポートしています。

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デジタルアーカイブとは


デジタルアーカイブは、公文書や古文書、出版物、音声や映像など有形・無形の文化資産、知的資産をデジタル情報として記録・管理し、さらにそのデータをインターネット上で共有・利用できる仕組みです。

 

デジタル化することによって人類共通の貴重な資料を崩壊、消失から保護し、長い期間にわたって後世に継承していくことが可能になります。

また、デジタル化した資料は加工編集ができたり、いつでもどこからでも検索して情報にアクセスできたりするため、資料の活用の幅が大きく広がります。

 

図書館や博物館・美術館、公文書館はもちろん最近では多くの企業がデジタルアーカイブを活用しています。

 

|アーカイブ(archive)ってなに?

では、デジタルアーカイブの『アーカイブ』とはいったい何を意味しているのでしょうか?

アーカイブとは、『保存記録・保管場所』という意味があり、消したくないデータを専用の保管場所に保存する機能と考えると理解しやすいかもしれません。

 

本来は、公文書や古文書、公共性が高く歴史的重要性のある記録資料を、まとめて保存・管理する施設や機関事業の事を指していますが、インターネット上で公開されたファイルの保管庫といった意味合いで広く用いられています。

 

|博物館・美術館にとってのデジタルアーカイブとは

博物館や美術館のような展示施設では、実物の作品をいつでも公開できるというわけではありません。

作品の破損や劣化を保護するために展示期間や展示スペースを制限しなくてはいけません。

 

そのため、遠くから眺めたり、ケース越しであったりと、作品を詳細にみることができないといった問題があります。

作品を超高精細のデジタル資料として作成しデジタルアーカイブを活用すれば、いつでもどこでも詳しく見ることができ、展示室・展示環境の制約を取り払うことができます。

 

|図書館にとってのデジタルアーカイブとは

図書館が所蔵している古文書や写真、地図などの貴重資料は、保存の関係上、閲覧回数の制限や取り扱い注意事項を徹底しなければいけません。

しかしデジタルアーカイブ化によって現物資料を閲覧のために持ち出す必要がなくなり、資料の劣化を防ぐことができます。

 

また、図書館に行かなくても資料名や著者名などのキーワードや出版年、種別等を選択すれば簡単に目的のものを探すことができ、図書館職員への問い合わせが減り、職員の負担軽減にもつながるでしょう。

 

|文書館にとってのデジタルアーカイブとは

令和2年に内閣府から「行政文書の電子的管理について」の基本方針が示され、行政文書の作成・取得から移管・廃棄までの処理を100%デジタル化するといった内容がニュースで話題になりました。

 

文書館が所蔵する公文書や重要文化財がデジタルアーカイブ化することによって、全資料の目録やデジタル複写が完了した資料の画像を閲覧することができます。

 

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デジタルアーカイブのメリット


デジタルアーカイブは、文字や図表、画像や映像、音声など膨大な情報を劣化させることなく保存や複製でき、さらには分野を横断した連携・共有が可能です。

 

つまり、インターネット上で「いつでもどこからでもアクセスができる」というところに利用価値があると言えます。

ここでは、デジタルアーカイブのメリットについて具体的にご紹介します。

 

|検索ができる

単純なデジタル化であれば、スキャンすればそれで終わりです。しかしそれだけでは、使えないデータが蓄積しているだけで利用価値はあまりありません。

膨大な資料や作品の中から、目的とするものを自分の目で一つ一つ探していく作業は非常に手間と時間がかかります。

デジタルアーカイブでは、探す手間や時間をかけずに特定の分類や分野、日付などさまざまな切り口で検索が行えます。

 

|資料の加工や編集ができる

デジタルアーカイブを上手に活用することで資料の加工や編集が自由に行えます。

画像を取り込み、ごみ取りや色調整を行う復元や音声解説などを加えることにより、元の資料を膨らませた新しい表現を実現した情報提供が可能になります。

 

|資料の劣化を防ぐ

貴重資料はできるだけきれいな状態で長く活用されたいものですが、年数を重ねた資料では「劣化による損傷」に注意が必要となります。

劣化により資料が判読不能であったり、必要な個所の参照が困難であったりすると、せっかくの文化資産は後世に継承していくことが非常に難しくなってしまいます。

 

デジタル技術を活用することによって、記録精度が高い状態で保存ができ、オリジナル資料へのアクセスや閲覧回数を制限し、物理的な損傷や劣化を予防することができます。

 

|どこからでもアクセスでき、データの共有が可能

デジタルアーカイブを活用した資料は、インターネットを通じて公開され、不特定多数の人がいつでもどこからでもアクセスができるようになります。

「特定の場所に行かないと見ることができない」といった制限はなくなり、世界中のより多くの人がデータを共有でき、学習教材や生涯教育、多くの研究に役立てることができます。

 

|スペースをとらない

膨大な面積を必要とされていた資料保管スペースもデジタルアーカイブの活用によって、保存スペースの大幅な削減につながります。

|管理のためのコストを削減できる

デジタルアーカイブは、管理するための手間や時間、保管スペースなど作業コストや時間コスト、スペースコストを削減できるというメリットがあります。

 

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デジタルアーカイブの活用事例を紹介


ここでは、デジタルアーカイブの活用事例を紹介したいと思います。

 

|博物館・美術館

デジタルアーカイブを導入している博物館・美術館は多くあります。

東京国立博物館デジタルライブラリー」では所蔵する和書、洋書、漢籍等について全文の画像をインターネット上で見ることできます。

 

また、東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館の4つの国立博物館と奈良文化財研究所は、連携したデジタルアーカイブの活用を進めており、それぞれが所蔵している国宝・文化財を高精細な画像で鑑賞できる「e国宝」というサイトを公開しています。

 

国立博物館の所蔵品を横断的に検索できるほか、拡大縮小しても美しく細部まで閲覧できます。

さらには解説文も多言語で収録されているため、家でゆっくり見ることもできますし、実際に博物館を訪れ、実物を前に解説を聞きながら鑑賞するといった楽しみ方もできるようになっています。

 

|図書館

国立国会図書館ではインターネット上でデジタルコンテンツの提供をおこなっています。

 

国立国会図書館デジタルコレクション」は、国立国会図書館で収集・保存している総数350万以上のデジタル化した資料を簡単に検索・閲覧できるサービスです。

 

また、2020年に書籍等分野、文化財分野、メディア芸術分野など様々な分野のデジタルアーカイブと連携した国の分野横断型統合ポータル「ジャパンサーチ」では、多様なデジタルデータを検索・閲覧・活用できるようになりました。

 

新規ビジネスやサービスの創出、教育の教材利用、地域活性化、研究活動の活性化等に活用されることが期待されています。

 

|公文書館

国立公文書館では、「国立公文書館デジタルアーカイブ」というシステムを構築しています。

 

これはインターネット上で「いつでもどこでも、誰でも自由に、そして無料」で公文書や重要文化財、大判資料、色彩豊かな巻物等のデジタル画像の検索、閲覧、印刷、ダウンロードが可能なシステムです。

資料は高精細の画像ビューアで閲覧でき、デジタル画像と解説をセットで印刷することもできます。

 

地方自治体

以前は、国主導で重要文化財等をデジタルアーカイブで後世に残そうとしていましたが、最近では自治体主導で、祭りや伝統芸能など地域独自の文化や地域の産業を画像や音声、映像などで記録し情報発信する動きが活発になってきました。

 

例えば姫路市では、地方創生への取り組みの一環として複数自治体と連携し、デジタルアーカイブ「はりまふるさとアーカイブ」を構築しています。

地域の貴重な歴史的資料のデジタル化を進め、インターネットを通じて積極的に情報発信を図り、国内はもちろん世界中からの観光客誘致を計画し、小中高の教材としても活用しています。

 

|企業

デジタルアーカイブといえば、図書館や美術館をイメージされる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。企業にとっても、いまやデジタルアーカイブはなくてはならないものになりました。

 

紙ベースの貴重な資料をデジタルアーカイブとして保持することによって、資料の劣化を防ぐことができますし、保管スペースや資料を探す手間や時間の削減が可能になります。

 

また、自社の歴史や理念、経営方針、企業イメージをアピールすることにも用いることができ、印刷物、電子書籍、ウェブサイト、PR素材など、様々な用途での自由な活用が期待できます。

多くの企業がデジタルアーカイブをビジネスに積極的に活用しており以下のような具体的活用事例も参考になります。

  • 幹部職員の書簡や手記をデジタル化しアーカイブに成功した事例
  • 創業時からの社内報のPDF化、OCR処理で社内共有に成功した事例
  • ダンボール150箱分の紙書類を電子化しトランクルームを解約し事務所経費を削減できた事例
  • 経理書類の電子化で業務効率化に成功した事例

 

詳細は、こちらのコラムで解説していますので、お時間のある方はお目通しください。

事例紹介

 

まとめ

古い資料などは取り扱いに細心の注意が必要です。資料の状態を見極めながら、過度な負担をかけずに慎重に作業する必要があります。

 

質の高いスキャニングには、高い技術が必要であり誰でも簡単にできるものではありません。

 

雲紙舎は高性能なスキャナーと高い技術力をもって、高精度なスキャンサービスを提供します。「綺麗にデータ化できない」「どこから手をつけたらよいか分からない」など紙のスキャニングについてのお悩みがあるかたは是非一度ご連絡ください。

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